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金融業界でのBIツール活用事例

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目次

金融業界では、BIツールを活用することで顧客分析やリスク管理、業務効率化が進み、精度の高い意思決定が可能に。ここではその具体事例を紹介します。

金融業界におけるデータ
分析の課題

コスト増と業務負荷の増加

金融業界では、日本版SOX法への対応や保険金不払い問題などを受けて、内部チェック体制の強化が求められています。その結果、事務処理量や監査業務が増え、人的リソースの確保や業務効率化が大きな課題となっています。

情報の分散と活用の困難さ

金融機関では、部門ごとに異なるシステムやデータ形式が存在し、情報がサイロ化しています。そのため、全社横断的なデータ活用が難しく、迅速な意思決定を阻害してしまうケースが多く見られます。

費用対効果が見えにくい

BIツールの導入に際しては、「費用に見合う効果があるのか」という不安が根強くあります。特に中小金融機関では、導入コストが高く感じられ、具体的な成果イメージが描けないことが導入の障壁になっています。

金融業界のBIツール活用
事例

部門を横断した迅速な意思
決定を実現

導入前の課題:
属人化と分析スピードの遅さ

三井住友カードではデジタル施策のPDCAに1カ月以上かかり、部門間でのデータ共有も困難でした。分析リソースや環境が不足しており、施策の改善サイクルが滞るという課題を抱えていました。

導入後の効果

Domoの導入により、サイロ化されたデータを一元管理し、分析のスピードと正確性が向上しました。部門を超えて情報共有が進み、PDCAの迅速化と施策の成果向上(開封率1.4倍・クリック率1.25倍)に貢献しています。

参照元:Domo公式HP(https://www.domo.com/jp/customers/smbc-card

データドリブン経営で業績
向上を実現

導入前の課題:煩雑なExcel集計と属人化

ソニー銀行では、営業報告や経営会議資料の作成に複雑なExcelマクロを用い、担当者によって数値定義が異なるなど、データの属人化と集計作業の負担が大きな課題でした。月次資料の作成に1週間以上かかることもありました。

導入後の効果

Domo導入により、データ集計の作業時間を87%削減し、営業・企画部門の意思決定が迅速に。ダッシュボードでの情報共有により社内活用が定着し、外貨預金残高や新規口座開設も増加。業務粗利益は4年間で65%、経常利益は122%向上しました。

報告業務を大幅に効率化し、
企画業務の時間を創出

導入前の課題:
Excel依存による属人化と作業負担

武蔵野銀行では、膨大な報告業務がExcelベースで運用されており、データの集約・転記作業に多くの工数がかかっていました。担当者によって集計方法が異なり、属人化も進行。本来注力すべき企画・判断業務の時間が圧迫されていました。

導入後の効果

MotionBoardの導入により、営業店とのリアルタイムな情報共有が可能に。報告書の作成・集約・出力を一元化し、業務の効率化を実現しました。煩雑な作業から解放され、戦略立案や分析といった業務へ集中できる体制が整いました

参照元:ウイングアーク1st公式HP(https://www.wingarc.com/product/usecase/1071.html

BIツールを活用する
メリット

事例のようにBIツールを導入することで、企業内外のデータを一元管理し、「見える化」を実現できます。顧客ニーズの把握やリスクの早期発見が可能となり、スピーディな意思決定が支えられます。

定型レポートの自動化により事務作業の負荷を軽減できる点も大きな利点です。地方銀行などでも支店単位での業績管理にBIを活用する事例が増えており、PDCAの実践に繋がっています。

金融業界でBIツールを活用するポイント

金融業界では外資や大手企業を中心にBIツールの活用が進みつつありますが、中小規模の金融機関にとっても大きな可能性を秘めています。情報を資産として捉え、整理・統合することで、部門をまたぐ柔軟な分析と適切な経営判断が可能になります。
初期投資に不安を感じる場合でも、段階的な導入やテンプレートの活用により、成果を実感できるようになるでしょう。

このメディアでは、業務の見える化を実現する中小企業向けのBIツールをまとめています。
業界別におすすめのツールを紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。

INDUSTRY SPECIFIC
業界別|
おすすめのBIツール3選

BIツールは70製品近く※1と多くの製品が存在することから、その中で自社にピッタリの製品を見つけるのは難しいもの。
ここでは、分析したいデータの傾向を整理し、業界別におすすめのBIツールを紹介します。

小売・EC向け
クラウドフォーミュラCloud Formula
クラウドフォーミュラ
引用元:Cloud Formula公式HP
https://cloudcrossing.co.jp/pages/cloud-formula
小売・EC向けの分析/機能
  • 売上、顧客データ分析
  • 購入チャネル分析
  • RFM(購入日・購入頻度・購入金額)分析
  • バスケット(買い合わせ)分析
小売・ECにおすすめな理由
  • 分析スキルがなくてもデータ準備のみで済むため、迅速な施策実行を実現。小売・ECに必要な分析を自動化。
  • 月額5万円からの利用可能。「売上レポートを見やすくしたい!」といったシンプルな要望でもコスパ良く使えます。
金融向け
モーションボードMotionBoard
モーションボード
MotionBoard公式
https://www.wingarc.com/product/motionboard/features/index.html
金融業向けの分析/機能
  • パレート図、ヒートマップなどの顧客分析
  • 地図機能(競合店・エリア分析)
  • 相続管理ワークフロー
  • 経済産業省への報告資料の自動生成
金融におすすめな理由
  • 情報セキュリティの国際規格ISMSやFISCの認証済み※2。オンプレでの導入可でセキュリティ基準が高いのが特徴です。
  • SFAや他データベースなど異なるソースとも柔軟に連携可能で、営業店の進捗管理などの効率化を図ります。
製造向け
スポットファイアSpotfire
スポットファイア
引用元:Spotfire公式HP
https://www.nttcoms.com/service/TIBCO/products/data-science/
製造業向けの分析/機能
  • 品質管理・不良分析
  • 歩留まり分析
  • 製造コスト分析
  • AIを用いた異常検知
製造におすすめな理由
  • 不良品の発生原因や装置異常をすぐに発見します。エラーを最小限に抑えて生産性を向上
  • AI・機械学習の活用で検査を自動化。人為的なミスやバラつきを防ぎ、品質判断の安定化を強化します。

※1 2025年1月編集チーム調べ

※2 参照元:MotionBoard公式HP(https://corp.wingarc.com/security_governance/certification.html)