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Grafana

Grafanaは、メトリクス・ログ・トレースなどの時系列データを中心に、既存のデータを移行せずに統合可視化できるオープンソースの観測プラットフォームです。この記事では、主な機能や価格、セキュリティ、連携サービスなど、導入検討に役立つポイントをまとめています。

Grafanaの特徴

“単一のペイン”での統合監視

データを専用DBに取り込まず、Prometheusや各種クラウド、Googleシートなど、複数ソースをまたいで単一画面に集約できます。既存システムから直接読み込み、部門横断での可視化を実現します。

提供言語は英語になることは留意が必要です。

組織で共有しやすい設計

「データは担当者だけのものではない」という思想で作られており、組織内の権限に応じてダッシュボードを作成・探索・共有できます。アクセス制御(基本ロールはOSS、より細かなRBACはGrafana Enterprise/Cloudで提供)を組み合わせることで必要な人へ適切に開示できます。

柔軟なビジュアライゼーション

グラフ、ヒートマップ、ヒストグラム、ジオマップなど多彩なパネルを用意。クエリや変換を組み合わせて自在にカスタマイズでき、使い勝手のよいダッシュボードを構築できます。

Grafanaでできることと注意点

Grafanaでできること

  • 外部データの可視化とチーム共有
    • 外部に保存されているデータに対して、クエリ(データの抽出命令)を送り、グラフや表として可視化できます。
    • 作成したダッシュボードは、チーム内で簡単に共有・探索が可能です。
  • 多種多様なシステムとの連携(プラグイン機能)
    • データソースプラグイン:異なるシステムと接続するための専用アダプター。
    • Prometheus(システムの稼働監視ツール)やPostgreSQLなど、多種多様な接続先からデータを集約して表示できます。
  • 高度な監視とアラート通知
    • メトリクス:システムの利用率など、時間とともに変化する数値データ。
    • ログ:システムが記録した動作履歴。
    • これらを監視し、異常な数値を検知した際に通知を送るルールを作成できます。
  • 表示前のデータ加工(Transform機能)
    • トランスフォーム:取得したデータを、グラフで見やすくするために整形する工程。
    • データの名前変更、複数のデータの結合、計算処理などを、可視化する直前に行えます。
  • フォルダ・ダッシュボード単位の権限管理
    • 「誰がどのデータを見られるか、編集できるか」を、フォルダやダッシュボードごとに細かく設定できます。
  • 定期的なPDFレポート配信(上位プラン限定)
    • 有料のEnterprise版やCloud版では、ダッシュボードをPDF化してスケジュール通りに配信したり、手動でエクスポートしたりできます。

Grafanaの注意点・向いていないこと

  • 分析対象データ自体のストレージ機能
    • Grafanaは「データを見るための窓」であり、分析するデータそのものを溜め込む機能はありません。別途、データを保存しておくデータベースが必要です。
  • 設定情報を保存するデータベースが別途必須
    • メタデータDB:Grafanaのユーザー設定や画面構成を記録するための内部用データベース。
    • ツールを動かすために、SQLiteやMySQL、PostgreSQLなどのデータベースを背後で準備する必要があります。
  • 無料版における詳細な権限管理の制限
    • RBAC(ロールベースアクセス制御):役割に応じて操作権限を非常に細かく制限する仕組み。
    • この高度な管理機能は有料版のみの提供であり、無料のOSS(オープンソース)版では利用できません。
  • 複雑な加工による表示エラーの可能性
    • データ加工の内容によっては、グラフ形式で表示できなくなる場合があります。その際は、表形式(Table view)での表示に切り替えるなどの対応が必要です。
  • PDF出力機能の有料制限
    • PDFレポートの作成やエクスポートは有料版の機能です。無料版で標準的に使える機能ではない点に注意が必要です。

Grafanaの価格

料金プラン

プラン名 フリー(無償)
初期費用 なし($0)
月額費用 無料($0/月)

※Free枠の一例:ログ/トレース/プロファイルは各50GB/月まで・保持14日、可視化(Grafana Visualization)はアクティブユーザー3名まで

プラン名 プロ(オンデマンド)
初期費用 なし
月額費用 $19/月(プラットフォーム料金。可視化のアクティブユーザー3名を含む)+ $8/アクティブユーザー/月(4人目以降)

※使用量に応じて別途従量課金あり(例:ログ/トレース/プロファイルは$0.50/GB など)。対象プロダクトにより無料枠・単価・保持期間は異なります。

プラン名 エンタープライズ
費用 カスタム(年間最低コミット$25,000〜

無料トライアルの有無

あり(常時利用可能なフリープランで検証可能)

このメディアでは、業務の見える化を実現する中小企業向けのBIツールをまとめています。
業界別におすすめのツールを紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。

Grafanaの基本機能

分析ダッシュボード

Grafanaイメージ
※Grafanaの管理画面のキャプチャ

使いやすいダッシュボード機能を備え、複数ソースの指標を1つの画面で俯瞰できます。必要に応じてクエリや可視化オプションを調整し、現場主導の分析をすばやく始められます。

パネル(可視化)

Grafanaのデモ画面のキャプチャ
※Grafanaのデモ画面のキャプチャ

時系列グラフ、テーブル、ゲージ、棒・円グラフ、ステートタイムラインなど、多様なパネルで表現できます。

プラグイン

データソースやアプリ拡張のプラグインを追加して、既存のツールへAPI経由で接続。データをコピーせずにリアルタイム表示が可能です。

アラート(Alerting)

単一のUIでアラートを一元管理。しきい値超過や異常検知時にメール・チャットへ通知できます。

トランスフォーメーション(変換)

別クエリや別ソースの結果に対して、結合・集計・リネーム・計算などの前処理をGUIで適用できます。

アノテーション/パネル・エディター

イベントをグラフへ注釈表示し、時系列の変化と出来事を紐付けて把握。パネル・エディターで各パネルのクエリ・表示設定を統一UIから編集できます。

AIアシスタント

Grafanaイメージ
※GrafanaのAIアシスタント

AIアシスタント機能を利用すれば、自然言語でGrafanaの操作に関する疑問をAIに質問をすることができます。

Grafanaイメージ
※GrafanaのAIアシスタント

AIアシスタントよりExeclのファイルを直接、Grafanaにアップロードできないという回答がありました。

Grafanaのセキュリティ

  • SSOと権限管理はエディションで機能が異なります。
  • OSS:OAuthやLDAPでのSSOに対応。権限は基本ロールが中心。
  • Cloud/Enterprise:OAuth・SAML・LDAPでのSSOに対応し、細粒度RBACで「誰が何をできるか」をきめ細かく制御可能。
  • セキュリティ/コンプライアンス情報(例:ISO 27001、SOC 2)も公開されています。
Grafanaは
こんな人におすすめ

既存データを移さずに横断可視化したいチームクラウドネイティブ環境での監視基盤を早く整えたい企業に適しています。フリーで始めて段階的に拡張でき、現場主導のダッシュボード運用にも向いています。

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Grafanaの構築方法

  • 導入形態:クラウド(SaaS)・セルフホスト(OSS/Enterprise)
  • 環境構築の代行:クラウドは◯(即時利用)。セルフホストは自社構築が基本
  • 構築後のアフターフォロー:Grafana Cloud Proは平日8x5のメールサポート。Grafana Enterprise(自社運用)は24x7x365のサポートとトレーニングを提供

Grafanaと連携できるサービス

  • メトリクス/監視:Prometheus、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud
  • データベース:MySQL(OSSに同梱)、Snowflake・MongoDB(Enterprise/Cloudのデータソースプラグイン)など
  • 開発・業務ツール:GitLab、Jira、Salesforce、Splunk、Datadog、New Relic など(多くはGrafana Enterprise/Cloud向けのデータソースプラグイン)

Grafanaの基本情報

会社名 Grafana Labs(Raintank Inc., dba Grafana Labs)
本社所在地 165 Broadway, 23rd Floor, New York, NY 10006, USA
電話番号 公式HPに記載なし(問い合わせ:info@grafana.com)
公式サイトURL https://grafana.com/ja/
INDUSTRY SPECIFIC
業界別|
おすすめのBIツール3選

BIツールは70製品近く※1と多くの製品が存在することから、その中で自社にピッタリの製品を見つけるのは難しいもの。
ここでは、分析したいデータの傾向を整理し、業界別におすすめのBIツールを紹介します。

小売・EC向け
クラウドフォーミュラCloud Formula
クラウドフォーミュラ
引用元:Cloud Formula公式HP
https://stkqps2z.lp-essence.com/
小売・EC向けの分析/機能
  • 売上、顧客データ分析
  • 購入チャネル分析
  • RFM(購入日・購入頻度・購入金額)分析
  • バスケット(買い合わせ)分析
小売・ECにおすすめな理由
  • 分析スキルがなくてもデータ準備のみで済むため、迅速な施策実行を実現。小売・ECに必要な分析を自動化。
  • 月額5万円からの利用可能。「売上レポートを見やすくしたい!」といったシンプルな要望でもコスパ良く使えます。
金融向け
モーションボードMotionBoard
モーションボード
MotionBoard公式
https://www.wingarc.com/product/motionboard/features/index.html
金融業向けの分析/機能
  • パレート図、ヒートマップなどの顧客分析
  • 地図機能(競合店・エリア分析)
  • 相続管理ワークフロー
  • 経済産業省への報告資料の自動生成
金融におすすめな理由
  • 情報セキュリティの国際規格ISMSやFISCの認証済み※2。オンプレでの導入可でセキュリティ基準が高いのが特徴です。
  • SFAや他データベースなど異なるソースとも柔軟に連携可能で、営業店の進捗管理などの効率化を図ります。
製造向け
スポットファイアSpotfire
スポットファイア
引用元:Spotfire公式HP
https://www.nttcoms.com/service/TIBCO/products/data-science/
製造業向けの分析/機能
  • 品質管理・不良分析
  • 歩留まり分析
  • 製造コスト分析
  • AIを用いた異常検知
製造におすすめな理由
  • 不良品の発生原因や装置異常をすぐに発見します。エラーを最小限に抑えて生産性を向上
  • AI・機械学習の活用で検査を自動化。人為的なミスやバラつきを防ぎ、品質判断の安定化を強化します。

※1 2025年1月編集チーム調べ

※2 参照元:MotionBoard公式HP(https://corp.wingarc.com/security_governance/certification.html)