多機能なBIツール「Tableau(タブロー)」を導入したものの、操作の難しさから現場に定着せず悩む企業は少なくありません。本記事では、Tableauの運用で課題が生じる原因と、データ活用を推進してデータ経営を進めるための重要ポイントを解説します。
Tableauとは、世界中で広く利用されているデータ可視化ツールです。直感的なドラッグ&ドロップ操作で、社内に分散する膨大なデータを分かりやすいグラフやダッシュボードに落とし込み、迅速な経営判断をサポートします。
あらゆるデータソースと接続し、即座にリアルタイムなビジュアルへと変換する視覚的分析に対応しています。専門知識を要する統計分析やドリルダウン(詳細データの深掘り)が直感的に行えるほか、地図情報と連動したエリア分析など、高度な表現力と分析の自由度を備えている点が特徴です。
PCにインストールして使用する、ダッシュボード開発の主軸となるツールです。あらゆるデータと接続し、高度なグラフ作成や詳細な分析画面を構築するクリエイター向けの製品に位置づけられます。
Desktopで作成したダッシュボードを社内で共有・閲覧するためのプラットフォームです。Cloudはベンダー管理のクラウド型、Serverは自社サーバー運用のオンプレミス型で、ブラウザからのデータ確認に対応しています。
分析の前段階で行う、データクレンジング(データの整理・加工)を視覚的に行うツールです。分散したデータの結合や表記揺れの修正を、コードを書かずに自動化ルールとして構築できます。
無料で利用できる公開型のTableauです。作成した成果物はすべてWeb上に一般公開される仕組みのため、社外秘のビジネスデータは扱えませんが、世界中のユーザーが作成した優れたデザインの学習に適しています。
Tableauの導入・運用には、一定のライセンス費用を要します。一部の経営層のみが画面を閲覧していたり、単なるExcelの代替として使用していたりする場合、コストに対して十分な利益を生み出せないという不満が生じる要因です。
自由度が高く多機能である反面、操作画面の複雑さから現場への定着にハードルが生じるケースがあります。独自の関数の習得も必要となるため、研修やスキルアップにまとまった時間と教育コストの確保が必要です。
現場が使い慣れたExcelの網羅された数値表に固執してしまう傾向があります。Tableauのグラフを提示しても従来の表形式での報告を求められ、結果として手作業による集計業務に戻ってしまう事態が懸念されます。
社内システムやExcelなど、元となるデータの形式が統一されないままTableauに接続すると、エラーの発生や意図しないグラフの生成に繋がります。Tableauを動かす前段階のデータ整備フェーズで運用を断念する企業は少なくありません。
グラフを確認して次のアクションを起こすというデータリテラシーが社内に定着していないと、ダッシュボードを作成しても閲覧するだけで終わりがちです。結果として、業務改善や業績向上といった具体的な成果に結びつきづらい状況を招きます。
基幹システムの売上データとExcelの顧客管理表、さらにWebのアクセスログなど、社内の異なるシステムにある複数データを統合。多角的に相関関係を分析したい企業にとって、業務効率化を進める強力なシステムとなります。
営業、製造、財務など、それぞれの部署が管理していた数値を1つの画面に統合します。会社全体で共通の経営指標(KPI)を共有し、一気通貫した組織改善を行いたいビジネス環境に適しています。
Tableauを社内で運用・メンテナンスするためには、ITリテラシーが高く、データの構造を理解できる専任、または主担当のメンバーが不可欠です。社内にそうした人材を確保・育成できるリソースを備えた環境に向いています。
現場の要望に合わせて、「このグラフをこう変えてほしい」という声を吸い上げ、画面をアップデートし続ける運用体制が必要です。一度作成したら終わりではなく、現場の運用状況に合わせて画面を育てていく環境がある企業で真価を発揮します。
毎月決まった売上や在庫の数値をグラフで確認したいだけであれば、Tableauほどの高度な分析機能は不要です。より安価で、レポート作成に特化したシンプルなツールのほうが、現場も迷わず運用に定着させられます。
社内のリソースが不足しており、兼任でBIツールの管理をしなければならない場合、Tableauの習得は負担が大きくなる懸念があります。マニュアルを必要とせず、導入初期から使いこなせる直感的なツールを選択する方がスムーズな定着を期待できます。
初期費用やランニングコスト、社員教育にかける予算が限られている中小企業は、Tableauを無理に導入するとコスト倒れするリスクがあります。月額を抑えて始められるツールや、使い慣れたExcelの延長で動く製品のほうが運用の負担を軽減可能です。
「何のためにデータを見るのか」「どの数値が動いたら次のアクションを起こすのか」という運用の目的をはじめに確立させます。また、ツールに触れる前に、現場の課題解決に直結する明確なゴールを設定しましょう。
1つの画面にすべての情報を詰め込みすぎると、現場の混乱や運用の形骸化を招きます。経営層用、現場のリーダー用、作業員用など、閲覧する役割に合わせ、状況の良し悪しが直感的に把握できるシンプルな設計への変更が有効です。
Tableauにデータを流し込む前に、社内の入力ルールを統一し、表記揺れを排除するデータガバナンスを確立します。Tableau Prepなどのツールを活用し、データが綺麗に整って自動連携される土台作りを優先する方針が重要です。
一部のシステム担当者だけのツールにせず、社内で定期的な勉強会を開いたり、使い方の相談に乗る社内コミュニティを作ったりします。成功事例を共有し、データを確認して業務に活かす文化を会社全体へ浸透させることが大切です。
Tableauは強力なツールの一つですが、多機能ゆえに、自社の目的や運用体制に合っていないと現場に定着しないという課題も存在します。
当メディアでは、「分析をすぐ始めたい」「担当者レベルでデータ活用したい」「セキュリティ基準が厳しい」といった導入目的・業界別に、現場が迷わず使えるBIツールを紹介しています。ぜひ自社に合ったツール選びの参考にしてください。
数あるBIツールの中から自社に適した製品を見つけるのは難しいもの。
業界によって活用目的も異なり、小売業・ECは顧客・販売データの分析、製造業は生産・品質データの可視化、金融業はリスク管理やコンプライアンス対応など、自社が求める導入効果に合ったツール選びが、データを有効活用できるかを左右します。ここでは、業界別におすすめのBIツールを紹介します。
※1 参照元:MotionBoard公式HP(https://corp.wingarc.com/security_governance/certification.html)